教養の再定義、再構築、その必要性と意義 二

教養の語はドイツ語の Bildung に当たるものだが、英語では culture の語を用いる。この英語との対応から現在の辞書での文化に関する知識との説明が与えられたのであろう。しかし文化は、一般には社会の人々における事象を言い、行為や事物に関して人が振る…

教養の再定義、再構築、その必要性と意義

教養という言葉は、今はあまり使われるのを見なくなった。使われるはずのところでも、用いられる様子がない。これは教養という事柄自体が、私たちの意識から消えていっていることを意味しているのではないだろうか。 ところで教養とは何を言うのであろう。あ…

パリ旅行記 一

十一月下旬、一週間ほどでモン・サン・ミシェル、シャルトル、ランス、ヴェルサイユ宮殿、そしてパリで二日過ごすツアーに参加して、フランスを訪れた。フランスについて、またそもヨーロッパについては、書物を通じて知るばかりで、実際に自分の目で見るの…

日本リベラリズムによるリベラル的人格と世俗的人格との二重性 二

リベラル的人格と世俗的人格との二重性は、人の生活や行動の多くの場面にあって、明瞭に併存的に存すると覚知されないでいる。それらは識別困難な仕方で相互に融合し、重なり合っていて、自己認識上あたかも統一的なものの如くに思われている。そうして、時…

日本リベラリズムによるリベラル的人格と世俗的人格との二重性 一

日本リベラリズムは、リベラリズムの主張や行動をする人格と、社会によって育まれ、形成された人格との二重性を、日本人に生じさせている。この二重の人格は互いに分離しているが、しかし時には相互に行き来するものとなっている。またこの二重性は、思想的…

日本リベラリズムによる人間精神への害悪の一例

日本リベラリズムは、広く受け入れられた思想であるならば、どれもが本来なら経るべき段階を辿ることなく、一挙に権威と意義とを有する思想信条として日本社会の最上部に採用され、上位から下位への社会(的支配)のシステムを通じて、社会全体に普及させら…

リベラリズムについて 四

リベラリズムは思想ではなく、特定の社会状況下で特定の目的獲得を目指す行動であり、包括して一般的にも社会現象に類比して捉えるべきものであって、これらの視点からリベラリズムの言論性格、言説内容(の意図、構成手法、効果など)は理解されるべきであ…

リベラリズムについて 三

リベラリズムは個人の可能性を価値ある原理とする。この個人とは社会の中での個人であり、可能性とは個人が社会の中で生活し、活動し、それによって様々な地位や役割を得ていく可能性である。ところでこの地位や役割とは、人々への影響力、思想・精神上の指…

リベラリズムについて 二

ではリベラリズムとは何か?。リベラリズムを思想としてでなく扱うとすれば、どんなものと見れば良いのだろうか?。 リベラリズムは、社会現象の類として、その観察と考察をすべきものである。社会現象とは、社会風潮とか、社会的流行といった、社会の状況に…

リベラリズムについて 一

リベラリズムが、少し落ち着いて考える人なら誰もが否定的な評価を下すものになってしまったのは、どうしてなのだろうか。ここで否定的と言うのは、全面的な心からの賛同を与えるのを躊躇うという意味で使っている。だがもし嫌悪や軽蔑の軽い程度を表す言葉…